突然耳の中が猛烈に痒くなるふあららいです。奥のかなりきわどい所なので、思い切り耳かきが使えないのがストレス~
「あ~緊張する~!」 「大丈夫よ。心配しないで~」
2000年1月24日月曜日の朝、私とハリエットは一緒に家を出てテイラーストリートの坂道を下っていました。
冬のサンフランシスコはどんよりとした空模様が多く、時折小雨も降ってきますが東京ほど寒くはありません。
昨日は予定より大幅に遅れてサンフランシスコに到着し、一晩明けて疲れも取れないままもう学校です。
私の通った学校は8週間で1タームとなっていて、タームが終了するとレベルに合わせてクラス替えが行われます。タームの途中でも生徒は入学できて、毎週月曜がプレイスメント(レベル分け)テストの日に当てられていました。
今日はそのテストを受けます。
乗り継ぎ便の欠航がなければ夕方にはステイ先に着いて、下見とか前準備もできたのに・・・。
初登校なのでハリエットが道を教えがてら途中までついて来てくれました。
「この道を行けば学校があるから。じゃ頑張ってね!」
勤め先に行くには遠回りになってしまうのに、わざわざ早めに家を出てくれて感謝です。
家を出る時には「今日は冷えてるから私のスカーフを着けて行きなさい」とマフラーを貸してくれました。 英語ではマフラーの事を「scarf」と言うことを、私はこの時初めて知りました。
ハリエットと別れ、サターストリートを進むとすぐにこれから通う英語学校に到着しました。 家から学校まで徒歩15分くらいでした。
建物に入り、一番奥にあるオフィスで入学の手続きをした後、2階の教室に行くように指示されました。
1フロアに3つ程の部屋があり、2階の一番大きな教室に入るとすでに何人かが席についています。 その中に昨日お迎えの車で一緒になった二人組がいました。 声を掛けると、ちょうどステイ先について話をしている所でした。
やはり彼女たちの家は郊外で、学校まで来るのに路面電車で結構時間が掛かったと言っていました。 対して私は徒歩で来られる近さ、「いい所に当たった」と心の中で呟きます。
時間になり、テスト用紙が配られました。 1時間もかからないようなテストだった気がします。 内容もそんなに難しくなかったような・・・
ただ日本人はなまじ文法ができるせいで、会話力も含めた実際の実力より上のレベルにされて授業で苦労する場合が多いと聞いていたので、あえて全力は出さないようにしました。
回答用紙が回収されると、校長先生が登場して訓示が始まりました。
内容は忘れてしまいましたが、最後に校長先生はアメリカ社会における挨拶と握手の重要性を説き、「nice to meet you」を唱和させた後、学生一人一人と握手をして回りました。
「相手の目を見て、グッと力を入れて握るように」 私の番になってかなり力を込めて握りましたが、元々握力がない為か「まだ弱い」と言われてしまいました。
何かの本で読みましたが、日本人の握手は「ただ触ってるだけ」と向こうの人に不評なんだそうです。
結果は翌日貼り出されるので、始業前に各自確認の上、指定のレベルのクラスに行くようにとの事でした。
現在学校は別の場所に移転して、学校があったビルは現在はIT系の専門学校になっているようです。