自粛でつまらないから編み物でもしようかな~と考えているふあららいです。
クラスメイトの多くは寮に住んでいたようでした。
ホームステイは家の人との相性が悪かったりしたら辛いところもあるのでしょうが、私はラッキーでした。 私は社交的ではないのですが、何かと構ってくれる人だったのでよかったです。
寮に暮らすフランス人の子が学校の先生以外のアメリカ人と話す機会がないと嘆いていたので、ハリエットの了解を得て家の食事に招待したこともありました。
今まで日本人ばかりを受け入れていたハリエットも、フランス人とお話ができるチャンスとあって喜んでくれました。
ハリエットとは猫好き旅行好き昼寝好きという共通点があり、暮らしやすかったです。
一回り以上も年が離れていましたが、私は心の中でハリ姉(ねえ)と呼んでいました。
家の中をいじるのが大好きで、私が滞在中次々とインテリアが更新されていきました。
当時はウェルスファーゴという銀行に勤めていましたが、インテリアデザイナーを目指して学校に通い、私の帰国後に転職を果たしています。
私になくて彼女にあるのはそんな行動力。
40代でインテリアデザイナーになる夢を叶えたのもすごいのですが、日常生活の中で脱帽ものの行動力を見せたエピソードがこちらです。
3月のある日、クリスピークリームドーナツがサンフランシスコ湾を挟んだ対岸の街にオープンしました。
今じゃ日本でも珍しくもなんともないドーナツ屋さんですが、当時のアメリカでは東海岸を中心にチェーン展開をしていて、西海岸の人はこちらへの進出を心待ちにしていました。
そんな憧れのドーナツ屋さんがベイエリアに初進出という事で、ローカルのテレビでも開店当日の模様を朝から生中継するほどのフィーバー振りで、当然ハリエットもぜひ行かねばと躍起になっていました。
数日後夕食を食べている時、ハリエットはいよいよクリスピークリームに行くつもりだと熱く語り、「でも週末はすごい行列になるだろうから木曜日に行く」と言ったので、今日は木曜日だけどまさか今日ではあるまいと思っていたら、まさにこれからジェシーと車を走らせて行って来ると言うではないですか。
ビックリしている私の前で、40分で向こうに着くだろうと飄々としています。
夜にドーナツを買いに車で40分かけて行くなんて・・・と呆れながらもドーナツが楽しみな私。
午後10時に大きな箱を二つ抱えて帰って来ました。 ひとつは翌日職場に持って行くそうです。
かくして初めて食べたクリスピークリーム、めちゃうまで感動! 夜遅いのに一気に2個食べてしまいました。
行動力もすごいのですが、勝気というか度胸があるところも・・・
ある日二人でフィッシャーマンズワーフを歩いていると、路上で喧嘩が始まったところに遭遇しました。
そういった観光地には奇抜な格好をして写真を撮らせてお金をもらう事を生業にしている人がいるのですが、その時はパンクないでたちのお兄ちゃんが無断で写真を撮ったらしい人に食ってかかっていました。
「お金を払わないから揉めているわ」と言いながらハリエットは傍らに立ち、さあ写真を撮れと言いました。
このどさくさに紛れて彼女を写す振りをしてパンク兄ちゃんを盗み撮りしろと。
別にパンク兄ちゃんの写真なんて欲しかないけど・・・と思いながら撮った1枚。
※写真はゆる~く加工してあります
ついでにジェシーについても少々。
ジェシーはハリエットに次ぐ濃厚接触者(旬な言い回し)だった人で、よく3人で出掛けました。
というか、2人で出掛ける時に誘ってもらいくっついて行ったのですが。
おそらくハリエットとステディーな間柄だと思うのですが、あまり人前でベタベタしない人たちでした。 年下なこともあり、やれあーしろこーしろと使われて姉と弟みたいな感じ?
黒髪に口髭のいかにもラテンな人です。
両親がメキシコからの移民だそうで、スペイン語と英語を話します。
空港近くの町に息子さんと猫のケイティと暮らしていて、2回ほどお邪魔しました。
1回はベッドフレームの真鍮磨きに動員され、終わった後は皆でDVDの「グリーンマイル」を観たりして。
彼はケーブルカーのグリップマン(運転士)をしていて、1回だけ彼の運転するケーブルカーに乗り合わせたことがありました。
※写真はゆる~く加工してあります
お仕事中にわざわざ声を掛けるのもいけないなと思い黙って彼の仕事振りを見ていました。
ケーブルカーには運転士と車掌が乗務していて、途中の停留所で降りる時は彼らに声を掛ける必要があります。
その時私はジェシーの後ろにいて、「Taylor, please」と伝えました。(ケーブルカーの停留所は交差点にあるので、交差する通りの名前を伝えます) 日本語訛りの聞き覚えのある声に彼はすぐ反応して振り返りました。
「おーふあららいじゃないかー。全然気が付かなかったよ~。どこから乗ったの?」と大きな声で話され、乗客の注目を浴びて恥ずかしかったです。