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語学留学おぼろげ回顧録 14《英語オンリーの小旅行》

ソフトサラダよりパリンコを好むふあららいです。

 

 

ハリエットは旅行好きで、私が滞在中何回か国内旅行に出掛けていました。

彼女としては無料のペットシッター(=私)がいてくれるので、猫の心配もいらず、これ幸いだったのかもしれません。

私としては海外一人暮らし疑似体験と言ったもので、のびのびと一人を満喫するつもりだったのですが、神経質な猫のスシがハリエットがいない不安からか凄まじい夜鳴きを発揮するという憂き目に遭い、それはそれは大変な一人暮らしだったのでした。

 

自分ばかりが出掛けて悪いと思ったのかどうかはわかりませんが、私も小旅行に誘ってくれ、半年の滞在中3回泊まりで連れて行ってくれました。

 

3月に行ったハーストキャッスルはサンフランシスコとロサンゼルスの中間に位置するサンシメオンという所にあるお城と言っていいような豪邸です。

かつてのメディア王だったランドルフ・ハーストという富豪が金を惜しまず建てた(1919年着工)このお屋敷にはチャップリンゲーリー・クーパーなど当時の各界の著名人やVIPが訪れていたそうです。

この1泊2日の旅行はハリエット、ジェシー、ハリエットの友人のアンと、私の4人で行きました。

 

金曜日の夕方に出発、途中ベトナムレストランで夕食を取り空港へ。

大きなサンフランシスコ空港の片隅にあるコミューターターミナルで小さなプロペラ機に乗りました。

「おおっ人生で初めてのプロペラ機だぁ!」と動揺しながら乗り込むと、中は1席・通路・2席の1列3席でまた動揺。 観光バスよりも狭かったのでした。

中にはCAの妙齢女性が一人いて、けだるそうにしていました。 まるで今じゃ場末のバーのママだけど若い頃は銀座の売れっ子ホステスだったのよ、といったやるせない寂しさのような雰囲気が漂っていました。 離陸する間も自席で黙々とパンか何かを食べていました。

 

そんなノスタルジー溢れるプロペラ機は1時間程でサン・ルイスオビスポという町に着陸しました。 ちびっこい飛行機にお似合いのちびっこい空港でした。

ロビーで少し待っていると、ハリエットの弟のボブが片手を挙げながらやって来ました。 この町に住んでいるらしいボブから彼の車を借りて、今宵の宿に向かいました。 交差点以外街灯のない道をひたすら北上します。 その日は十三夜で、月明かりで周りの山々が黒く浮かんでいました。

 

何か所か小さな町を通り過ぎて走ること30分、急に辺りが霧に包まれ始めました。 白いヴェールを纏った海辺の町が月に照らされてなんとも幻想的な光景でした。 そういえば宿の名前は「Fog Catcher Inn」だったっけ、なんて思い出します。

 

午後10時半に宿に到着。 B&Bと聞いていたので、ペンションみたいなところかと想像していたら、実際は綺麗なモーテルといったスタイルでした。 部屋に入ると暖炉があって、すごいすごいと喜んでよく見るとくべられている木はセラミックのニセモノで、ガスの炎が出ているだけでした。 しかし、たとえニセモノ暖炉でもそこにあるととてもカッコいいのでした。

私はアンと同室でした。 アンはハリエットより年上で50歳くらいと言ったところでしょうか。

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快活な感じの人で、ふっくらとしたマシュマロマンのような体型と共に肌の白さが余計マシュマロを想像させます。

このマシュマロレディーは東京に行ったことがあるそうで、駅で切符を買う時に学生が助けてくれたことや、日光に行く時電車を間違えそうになった話を聞かせてくれました。 中でも銀座のデパ地下で見たメロンが5000円にはたいそう驚いた、という話が印象的でした。

アンは私の拙い英語を真剣に聞いてくれて(つまり真剣に聞かないと理解できない)、日本に帰る頃にはきっとうまくなると言ってくれました。

 

翌日ハーストキャッスルを見学しました。

当時は見学ツアーが3コースあってそれぞれ見るエリアが違うのですが、私以外の3人はツアー1は見学したことがあるとの事で、私だけ朝一番のツアー1に参加しました。宿からビジターセンターまでハリエットに送ってもらい、ツアーバスに乗り込みます。

バスはほぼ満席で、半分くらいの人はブルージーンズにカウボーイハットをかぶったいかにもテキサスなおじさんの団体でした。 おじさん集団特有のくだらない冗談とガサツな笑い声に包まれたツアー1だったのでした。

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ビジターセンターから丘の上のお屋敷まで15分走った後、バスを降りてガイドの説明を聴きながら回ります。 お屋敷は今さら言ってもしょうがないほど豪華で素晴らしかったです。

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建物はスペインやイタリアっぽい意匠のものが多く、カリフォルニアの地中海性気候にぴったりマッチしていました。

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所有地の面積は約1011平方キロメートル、東京都の約半分ということで、ビジターセンターからバスで15分も移動するはずです。

 

ツアー終了後ビジターセンターでハリエット達と合流した後、ツアー2・ツアー3と連続で見学しました。

ツアー3が終わったのが午後3時。さすがに皆空腹で、ビジターセンターのスナックコーナーでハンバーガーを食べました。 アンはこれじゃ足りないと言って、ジャンキーなチーズクラッカーを買って一人でボリボリと食べていました。 この人がシカゴでヘルス・コンサルタントをしているとは信じられません。

 

車でサン・ルイスオビスポまで戻る途中、ハリエットが皆にガムを配りだしました。

ガムを噛んでいるうちに、町中のとある路地に着きました。 ここはバブルガム・アリィと呼ばれ、訳すと風船ガムの路地で狭い路地の壁一面にガムが貼り付けられています。

私達もガムをくっつけて記念撮影

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※画像はゆる~く加工してあります

 

太陽が西に傾き辺りをオレンジ色に染める中、ちっちゃいプロペラ機はサンフランシスコに向けて飛び立ちました。 CAさんは昨日と同じ、けだるい妙齢女性でした。 彼女は毎日この路線を行ったり来たりしているのでしょうか・・・。

 

この旅の最中、思考言語はもちろん日本語なのですが、実際に独り言として口に出したのは10回ほどでした。 貴重な英語強化合宿の機会でした。

週明けの学校では、スムーズに会話ができる自分がいました。 強化合宿の成果だわ~とハッピーな気分で過ごすも、夜ハリエットと話していてやっぱり大して上達していないことを自覚しました。 え~ん